ドイツからの便り・47星霜
海外支部ニュース ドイツからの便り 2018年12月末
黒川宏次朗君
全日本第67代アマチュア相撲横綱栄冠おめでとう。
心よりおめでとう。立派の一言です。拓殖大学の名誉は勿論のこと、
福田理事長・総長はじめ舛田守監督、兄、宗一郎さんそしてご両親も喜ばれた事でしょう。
プロに進めば今回の黄金タイトルで幕下10枚目格付け出し資格を得た訳ですが、
プロへの道は進まず拓大相撲部の後進の指導にあたるということですね。
貴君の人生を自分で決められた事に対し素晴らしいことだと、また人生に後悔はなしと小生も喜んでおります。
2年で学生横綱、また今年の9月の全日本実業団横綱と素晴らしい栄冠です。
更に猛稽古に励み怪我の無いように益々上を目指し頑張って下さい。
黒川コーチがこの素晴らしい結果を示した訳ですから、
「部員の目も自ら変わってきているはず」です。これが一番大事な事なんですね。
因みに我々の大先輩である布目豊先輩は全日本アマチュアタイトルを3回取っています。
次に私事ですが、スポーツなどやった事の無かった私でしたが、
弱い自分を変える為に大学より相撲を始めた。
私の友人より横綱柏戸の実弟が東日本新人戦で優勝した、又伝統ある強豪拓大学生相撲と聞き私自ら入部を申し出た。
3年の春には必ずレギュラーになると決め、細身の体で地獄の荒稽古に耐え、人一倍の稽古に励んだ。
運動部寮生活と稽古は想像を絶したが耐えに耐え3年春より4年最後の大会まで、正レギュラーとして闘いきった。
「戦績」
団体優勝3度:第8回全国大学選抜相撲宇佐大会、全国大学選抜相撲高知大会、
第18回全国選抜大学・実業団相撲刈谷大会(3人制)
準優勝4回: 47回全国学生相撲選手権大会、47回東日本学生相撲選手権大会、48回東
日本学生相撲選手権大会、第4回東日本選抜社会人・学生相撲川崎大会(3人制)
3位1回: 46回全国学生相撲選手権大会
個人: 東日本学生相撲選手権大会敢闘賞
同期に日大出の元横綱輪島がいる。当時我々の時代には体重別クラスはなかった。
しかし無理がたたり3年後半より腰を病んだ。大会前には痛み止め注射をし堪えられない日々もあったが、
大学最後の大会まで闘い、拓大に貢献できた。
卒業後、相撲部後輩9名に羽田から「勝ちますおどり」で見送られ、
当たって砕けろと西ドイツへ「海外雄飛」、早渡独47年目の星霜を迎える。
腰の方はドイツの気候が乾燥していて湿気が少ない為か、その後良くなり今では後遺症もない。
現在、異国の地で頑張れるのもベースをつくってくれた拓殖大学相撲部のお陰と感謝しております。
「押忍の精神」とは挑戦し途上で何があろうともやり抜き最後には勝つことである。
厳しい社会に於いて更なる人生をエンジョイする為にもこの「押忍の精神」しかない。
「最後に」
人間的魅力と実力ある黒川コーチ、母校・拓殖大学の為に益々の力量を発揮し後進の指導を宜しくたのみます。
人生を共に勝ち抜いて参りましょう。
では来年2019年の世界大会、ハワイに於いて再会できることを楽しみに待っています。
拓殖大学商学部貿易学科卒、68期(相撲部)
現、国際相撲連盟・常任理事
中本淑郎 拝 „押忍“